事業内容

専門誌の刊行

会誌「安全工学」の刊行
安全工学に関する科学と技術の新しい発見、創造、理論、知識ならびに重要な経験、事例、調査結果などを広く会員に伝えることを目的とし、1962年(昭和37年)4月に創刊号を刊行しました。以来、1968年までは季刊とし、その後は隔月刊として年6回発行しています。
2006年2月発行(Vol.45 No.1)よりB5版をA4版に変更し文字の大きさも大きくしています。
毎年1~2回はその時代のニーズに応じて小特集号または特集号を発行しており、そのテーマは、火災爆発のほか、静電気、粉じん、騒音・振動、腐食、破壊災害、自然災害、地震(阪神・淡路大震災、東日本大震災他)、公害、環境汚染(土壌、大気、水質など)、廃棄物、化学物質管理、有害物質の回収、内分泌攪乱物質、医薬・医療、セーフティアセスメント、機能安全、海外プラント建設HSE、人間工学、ヒューマンファクター、リスク管理、セキュリティ、労働安全、労働衛生、安全教育、保安力、訓練、先端技術、水素利用技術、次世代エネルギーなどと幅広く安全に関わる話題を取り入れています。また、学会活動の10年毎の節目の情報、周辺の学協会情報なども特集として取り組んでいます。

その他 出版物のご案内

セミナー・講習会

安全工学セミナー
安全安全工学の基本から応用まで、一貫した徹底的な教育を行うもので、“火災・爆発の予防”をテーマに、第1回を1979年(昭和54年)秋、延12日間開講しました。以後毎年9月~翌年1月に開講しています。1997年度(平成9年)からは内容を一新し、物質危険講座、危険現象・予防対策講座、安全解析・安全管理講座とし、受講対象者を明確にして開催し大変好評です。現在は“化学品を扱うプロセスの災害防止”をテーマに物質危険性講座、危険現象講座、プラント安全講座、安全マネジメント講座の4つの講座を2日間ずつ4回に分けて開催しております。
安全および安全工学の知識・予防の権威20名前後の講師を迎えて開催しております。また、関西地域の安全工学の普及を図る目的で、1997年(平成9年)に第1回安全工学関西セミナーを開催し、2005年以降、関西のみでなく別地域にも広げる意味で安全工学地域セミナーとして、岡山、九州、四日市など各地で、テーマも“火災・爆発の予防”に限定せず、幅広い話題により、開催しています。

その他 セミナー・講習会のご案内

発表会・シンポジウム

安全工学研究発表会
爆発、火災、反応危険性、材料・設備の劣化、設備診断、非破壊検査、プラントの安全性、危険性評価、機械の安全、電気・電子システムの安全、情報システムの安全、土木建築の安全、リスク管理、ヒューマンファクター、消費者安全、製品安全、環境安全、労働安全、その他 安全工学に関わる諸分野の研究発表の場として、1968年(昭和43年)から 毎年11月末から12月初旬に定期的に開催しております。毎回200名前後の参加者を得、盛況を極めております。
従来、東京近郊と地方とを毎年交代で開催し、最近では、北九州、金沢、長岡、今年は泉佐野と、全国で開催しております。今後はコンビナート地区など、学会活動の構想に沿った開催を目指しております。
1997(H9)年からオーガナイズドセッションと技術展示会を実施し、2017年には学会創立60周年にあたり、APSS (Asia Pacific Safety Symposium 2017) を併せて開催しました(北九州)。2019年には学会の将来構想を睨んで、パネル討論、及びワークショップを開催しました。2020年~2021年はコロナウイルス感染症拡大のため、インターネット開催となりましたが、2022年は鳥取県米子市、2023年は兵庫県姫路市で現地対面(及びWeb配信を併用したハイブリッド)での開催が実現しました。
今年は、2024年12月5日~6日に富山県富山市(富山国際会議場)で開催します。

安全工学シンポジウム
1970年(昭和45年)から毎年、日本学術会議主催、30あまりの学協会と共催で、安全工学シンポジウムを開催しています。幹事学会として安全工学会・日本機械学会・日本化学会・電気学会・日本建築学会・土木学会・日本人間工学会・日本原子力学会の8つの団体が担当しており、2024年(令和6年)6月には安全工学会が幹事学会を担当いたしました。

その他 発表会・シンポジウムのご案内

研究会・現場研修会

災害事例研究会
1979年より開講いたしました。産官学における調査研究専門の方をお招きし、各種災害事例を解説していただき、参加者との質疑応答、討論を通じてその防止対策を考えます。2018年までに51回実施しております。

現場研修会(旧:見学会)
1974年(昭和54年)から本学会の会員のみ参加の特典として研究所や企業を見学する“見学会”の開催をはじめました。最近では、JR東日本総合研修センター、昭和電工川崎事業所、国立環境研究所、コスモ石油千葉製油所、デュポン宇都宮事業所、住友化学千葉工場、チッソ石油化学五井製造所、三井化学市原工場、消防研究センター、航空装備研究所、陸上装備研究所、産業技術総合研究所、労働安全衛生総合研究所などを見学しております。2014年からは名称を現場研修会と改名して、いろいろな研究所や、企業などの現場を見て安全に関する実態を研修し、情報共有しています。

その他 研究会 ・ 現場研修会のご案内

海外活動

国際会議

APASESとAPSS
1999年(平成11年)に、日本と韓国の安全工学会同士の会合が、韓国で初めて開催されました。
これを拡大した形でAPSS2001(Asia Pacific Symposium on Safety 2001)として2001年11月に京都で開催しました。 出席者は221名(日本:141、韓国:54、台湾:10、中国:6、タイ・ベトナム:各2 カナダ・フィンランド・オランダ・シンガポール・英国・米国:各1)で、この時に以後定期的に開催することが決まり、APSS2003は台湾、APSS2005は中国、APSS2007は韓国釜山、APSS2009は大阪、APSS2011は韓国済州島、APSS2013はシンガポールで開催されました(APSS2017は北九州国際会議場で安全工学研究発表会と併せて開催)。
また、APASES(Asian Pacific Association of Safety Engineering Societies)が、2003年10月2日に大島榮次氏を初代会長にして設立されました。設立メンバーは日本、韓国、中国、台湾、シンガポールの安全工学関係に携わる代表者です。

WCOGI国際会議
WCOGI(World Conference of Safety of Oil and Gas Industry)はアメリカ、韓国、並びにヨーロッパのプロセス/ 物質・エネルギー分野の安全に関わる技術会議でこれら諸問題について技術情報の自由な交換を目的に、2007年韓国で最初に開催されました。
2014年6月に岡山コンベンションセンターにおいて、安全工学会と化学工学会との共催により第5回目のWCOGI(WCOGI2014)が「エネルギーとプロセス産業の未来のための安全と環境」 をテーマとして開催されました。中国・韓国など11カ国、54名の海外参加者を含めて220名の参加のもと、口頭発表80件、ポスター発表28件の発表が行われました。

CCPS Global Summit on Process Safety
最近の海外、我が国の、重大事故事例から、プロセス安全の重要性が増していることが伺えます。これらに関わる国際的な学術・技術会議であるCCPSグローバルサミットを日本で開催し、我が国、アジア、米国、欧州などからの技術者・研究者が、自由かつ活発な意見・技術・情報交換を行う事で、我が国のみならず世界のプロセス安全のレベル向上をはかります。特に、本サミットでは、我が国が持つ安全技術・安全文化を全世界に発信すると共に、海外からの各種技術・情報を積極的に取り入れることにより、我が国のプロセス安全技術が世界のトップとなる機会となることを期待します。また、若手研究者・技術者が、世界の場で発表・討議を行い、人的なネットワークの形成、討議などによる成長の機会を作ることができます。

<過去の開催>
 第1回 2014年12月15日~16日(インド、ムンバイ)
 第2回 2015年11月3日~5日(マレーシア、クアラルンプール)
 第3回 2016年12月4日~5日(サウジアラビア、ダンマン)
 第4回 2017年9月12日~13日(岡山県岡山市)
 第5回 2019年10月22日~23日(シンガポール、セントーサ島)
 第6回 2021年12月14日~16日(オンライン)
 第7回 2023年11月27日~29日(兵庫県姫路市)

プロセス安全シンポジウム
上記、4th CCPS GSPSを契機に、国内大手石油・石油化学9社を軸とした産業界が、プロセス安全シンポジウムの開催を続けており、安全工学会は、これの支援を続けています(プロセス安全は、学会の大黒柱の大切な一つ)。
 2018年 岡山
 2019年 四日市
 2020年 インターネット(COVID-19拡大のため)
 2021年 同上
 2022年 米子(ハイブリッド)

安全工学海外調査団派遣
1965年(昭和40年)秋 第1回 安全工学調査団(団員16名)をヨーロッパ諸国およびアメリカに派遣し、報告書として「欧州の化学工業における安全工学の活用」を刊行しました。
1990年(平成2年)には第1回リスク制御調査団を、1991年(平成3年)には 第2回リスク制御調査団を、ヨーロッパに派遣しました。また、化学プロセスの安全に関する第1回訪欧調査団を1992年(平成4年)に、第2回訪欧調査団を1995年(平成7年)に、第3回訪欧調査団を1998年(平成10年)に派遣いたしました。

表彰関係

安全工学論文賞の授与
1978年(昭和53年)から毎年会誌 “安全工学” に掲載された優秀な論文 2件以内を選んで賞を授与しています。
2004年(平成16年)までに49名の方がこの名誉を受けられました。

玉置功労賞・北川学術賞の授与
1984年(昭和59年)に玉置賞、北川賞が新設されました。1989年(平成元年)から安全工学協会玉置功労賞、北川学術賞とそれぞれ名称を変更しました。両賞とも選考委員会を設置して、選考に当たっています。2005年からは安全工学会の発足とともに安全工学会玉置功労賞、安全工学会北川学術賞となっています。
玉置功労賞は、長年安全工学協会会長として、安全工学協会の発展に寄与された、元千代田化工建設(株)社長 故玉置明善氏を記念して設けられました。安全に関する研究・技術の開発・応用、安全管理等、または安全工学会の発展に著しく貢献があった活動歴のある個人に授与されます。
北川学術賞は、本学会の設立者であり、長年会長、副会長として安全工学協会の発展のため貢献さた元横浜国立大学教授故北川徹三氏を記念して設けられました。安全に関する学術、教育、啓蒙等に著しく貢献があった会員個人に授与されます。
2018年(平成30年)までの玉置功労賞、北川学術賞の受賞者は それぞれ40名と42名です。

奨励賞の授与
2005年度奨励賞が設けられました。奨励賞は前暦年中に開催された安全工学研究発表会において発表された若手研究者の講演の中から、選考委員会が候補者を選び、理事会の議決を経て決定されます。2018年度は、研究発表会にて授与を行いました。

論文賞を含めこれらの授与式は2004年度までは研究発表会の時に行っていましたが、2005年度からは総会の後、行っています。

受賞者一覧