セーフティー・はーと

2001年7月の記事一覧

第1号 トルシエ語録

西  茂太郎 <出光興産(株)安全環境室>
 「日本人が赤信号で渡らないのは判断力がないからだ」とトルシエ監督が言ったのは来日まもない頃の話だそうです。(二宮清純さん解説。NHKサンデースポーツ)車も全然通らない交差点の赤信号でじっと待っている日本人の姿は、個人主義の強いフランス人には奇異に映ったのでしょう。
そして、それがサッカーのプレーにも現れると彼は言うのです。日本人はセオリー通りにはやるが、それを飛び越えたところでの発想・動きが少ないと言いたかったのだと思います。別掲「安全への提言」で東工大の小林先生が「わが国は法規制によって安全を確保する必然性があった。そしてそれは成功を収め、産業社会の速やかな変革をもたらしたが、今そのことを見直す時期にきている」と解説しています。いわゆる仕様規定を中心とする法規制に基づいた安全の確保が今、曲がり角にきています。その必然性はやむをえないところもあったでしょうが、私たちの思考パターンまでが、仕様規定に染まってしまって、知らず知らずのうちに判断力のない融通の利かないものに凝り固まっているとしたらそれこそ大きな問題であると思います。

第0号 「セーフティー・はーと」を始めるに当たって

2001.7.16. 普及委員会一同
連日、いろいろな事件・事故が発生しています。いろんなところで、海、山、川、空、電車の中でも。日本中、安全な場所はないと思われるほどです。
当安全工学協会は、各種災害の知識および技術の向上と普及により産業の発展および社会の福祉に貢献することとしています。私たち普及委員会では、セミナーや講演会を企画・実施してきましたが、事件・事故の発生が多岐にわたっていることから「専門家の目線から、地域住民や市民の目線にたった」企画も必要ではないかと感じています。そのためには、私たちから情報の発信をまず行い、見ていただいた方からご意見や要望を聞かせてもらう必要があるとの認識に立ち、メンバーが交代で日々の生活や事件・事故で感じたことをありのままに綴ってみようということになりました。メンバーは大学の先生から企業や研究機関の研究者、企業の安全・保安の担当者等さまざまです。勝手ながら、ここでは、所属する団体とは離れて個人の立場で自由に発言します。また、当協会の見解を表明しているわけではありません。

らいおんはーとならぬ「セーフティー・はーと」は、第1、第3月曜日に更新します。
「みなさんの掲示板」等へ皆様方の忌憚のないご意見・ご感想をお寄せ下さい。