セーフティー・はーと
第1号 トルシエ語録
西 茂太郎 <出光興産(株)安全環境室>
「日本人が赤信号で渡らないのは判断力がないからだ」とトルシエ監督が言ったのは来日まもない頃の話だそうです。(二宮清純さん解説。NHKサンデースポーツ)車も全然通らない交差点の赤信号でじっと待っている日本人の姿は、個人主義の強いフランス人には奇異に映ったのでしょう。
「日本人が赤信号で渡らないのは判断力がないからだ」とトルシエ監督が言ったのは来日まもない頃の話だそうです。(二宮清純さん解説。NHKサンデースポーツ)車も全然通らない交差点の赤信号でじっと待っている日本人の姿は、個人主義の強いフランス人には奇異に映ったのでしょう。
そして、それがサッカーのプレーにも現れると彼は言うのです。日本人はセオリー通りにはやるが、それを飛び越えたところでの発想・動きが少ないと言いたかったのだと思います。別掲「安全への提言」で東工大の小林先生が「わが国は法規制によって安全を確保する必然性があった。そしてそれは成功を収め、産業社会の速やかな変革をもたらしたが、今そのことを見直す時期にきている」と解説しています。いわゆる仕様規定を中心とする法規制に基づいた安全の確保が今、曲がり角にきています。その必然性はやむをえないところもあったでしょうが、私たちの思考パターンまでが、仕様規定に染まってしまって、知らず知らずのうちに判断力のない融通の利かないものに凝り固まっているとしたらそれこそ大きな問題であると思います。