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第54号 国立大学法人化
投稿日時 : 2003/10/20
事務局
土橋 律
国立大学は、平成16年4月から法人化することが決まっている。法人化により組織運営など様々な点が変化するが、安全衛生管理においては、適用法規が人事院規則から労働安全衛生法(安衛法)に変更となる。
国立大学は、平成16年4月から法人化することが決まっている。法人化により組織運営など様々な点が変化するが、安全衛生管理においては、適用法規が人事院規則から労働安全衛生法(安衛法)に変更となる。
これに伴い、衛生委員会設置、衛生管理者選任(資格取得が必要)、局所排気装置設置(有機溶剤や特化物使用時)などが必須となり、準備に追われている。さらに、現在は罰則の規定が無く責任体制が不明確なのに対し、安衛法では罰則が明確に規定され、労働基準監督署の監督のもと厳格に適用されることなるため、責任体制確立や責任者の意識改革が課題となっている。実際、現状では、国立大学の実験室と、安衛法が当初から適用されている企業の研究所の実験室を比較すると、安全衛生管理や安全設備において国立大学の実験室は明らかに劣っていると言わざるを得ない。このような差異が生じてしまったのには、法規の違いのみならず、企業と大学の組織や管理の違い、面積や予算の問題など様々な背景があると思われる。しかし、大学は教育機関であり人材育成の場であることを考えると、大学の実験室では模範的な安全衛生管理のもとで教育、研究をおこなわなければならないことは自明である。危険作業時の安全衛生管理について、大学を卒業した学生が企業に入って始めて知るという今の状況は異常と言わざるを得ない。
したがって、国立大学は、この機会を良いチャンスととらえ、安全衛生管理の大幅なレベルアップ実現することが肝心であると思う。安全衛生管理には、労力や費用が必要であるが、確実な管理を実施し安全な教育研究環境を提供できるか否かが、今後各大学の評価に大きく影響してくることは間違いないと思われる。