セーフティー・はーと
第112号 電車の信頼性に赤信号?
藤田哲男 <東燃化学(株)>
奇しくも,2年前にセーフティー・はーとに投稿した際も,
JR宝塚線での電車脱線事故の直後でありましたので,これを話題にした内容を書かせて頂きました。
奇しくも,2年前にセーフティー・はーとに投稿した際も,
JR宝塚線での電車脱線事故の直後でありましたので,これを話題にした内容を書かせて頂きました。
最近も,またまた,鉄道関係の事故が非常に多いように感じます。特に,非常に長時間にわたり,且つ多くの人々に影響を与えたと言うことでは,(1) さいたま市でのJR高崎線の架線切断事故と,(2) 都営地下鉄浅草線三田駅近くでのケーブル火災事故が挙げられます。これらも,前回で書かせて頂きましたのと殆ど同様に,結局プリミティブな原因が主であり,(1) については,停止位置を守らなかったこと,(2) については,マニュアルの不備があって対応方法が周知されていなかったことのように集約されるように感じました。リスクをどこまで,把握していたかどうか,詳しくはまだわかりませんが,十分防ぎ得ることであったと思います。いずれにしても,大きく信頼性を損じたことは否めないと思います。
局面は違うのですが,自身も,夜遅く会社から帰宅する際に,JR東海道線で約1時間半も缶詰めにされて,うんざりしたことが記憶に新しいものです。前を行く電車が,線路内に何者かが侵入した後,接触したかどうかで,その救出作業に手間取ったとの説明であったように思います。先日も,東海道新幹線で,同種の事故がありました。これは,JR東海社員の自殺によるものであったようですが,運転再開に多くの時間を要したと言う点では共通するものがあったと思います。つまり,リスクを如何に把握し,その対応方法をどこまで検討しているかと言うことではないでしょうか。ただ,いたずらに安全サイドに時間をかけて良いということではないと思いますので,当然のことですが,如何に迅速に対応するか/できるかと言う視点で取り組むことが,信頼性を上げることに非常に大事だと思います。
初心に帰って,改めてリスクマネジメント・アセスメントの大事さをマネジメントがきちんと把握して,リーダーシップをもって,臨むことが肝要と思った次第です。