セーフティー・はーと

第23号 「知識化」や「教訓」の次に来るもの

和田有司  <(独)産業技術総合研究所>
このたび普及委員会委員を拝命しました。安全工学の重要性は誰もが認めるところですので,安全工学協会の普及にはどこかに突破口があると信じて微力ながらお手伝いしたいと思います。
さて,前号の福田先生や19号の若倉氏が書かれているように,最近,事故事例を活用しようという動きが各方面でみられます。それも,事故事例データベースを作るのではなく,「知識化」や「教訓」として事故事例を一般化して事故防止に役立てようという動きです。おそらく次は,こうした「知識」や「教訓」を分野を越えて活用するために,得られた「知識」や「教訓」を学問として体系化し,教育するシステムが必要になるでしょう。幅広い分野の「知識」や「教訓」を学問として体系化し,それ教育するための安全教育システムを構築するのは,幅広い分野の安全の専門家の方々が集まっている安全工学協会にしかできないことではないかと感じています。