セーフティー・はーと
第37号 プロジェクトX 挑戦者たちに思う
西 茂太郎 <練馬区在住>
中島みゆきのテーマソングで始まるNHK「プロジェクトX 挑戦者たち」は私の好んで観る番組の一つである。1月7日に放送された「世界最大の船 火花散る闘い」は、注文主が、私が仕事をしている会社ということもあり、特に身近なものと感じられた。
中島みゆきのテーマソングで始まるNHK「プロジェクトX 挑戦者たち」は私の好んで観る番組の一つである。1月7日に放送された「世界最大の船 火花散る闘い」は、注文主が、私が仕事をしている会社ということもあり、特に身近なものと感じられた。
その船の建造を請け負ったのは、石川島播磨重工業だった。
現場の指揮を託されたのは石川島播磨重工業の技術者、南崎邦夫さん。入社3年目に事故で右足を切断。それでも現場を歩き続けた不屈の男だった。その南崎さんたちの前に次々と難問が立ちはだかる。
最強の鉄板「ハイテンション鋼」。溶接できず真っ二つに折れた。直径7.8メートルのスクリューを支える巨大シャフト。船体に原因不明の歪みが生じ、取り付けられない。
それでも男達は、数々の難問を乗り越えて当時、世界最大のタンカーを完成させた。
司会者の「どうして難問を乗り越えられたのか」の問に対し、南崎さんは「信頼して仕事を任せたからです。信頼されたら、人は最大限、力を発揮するのです」と答えた。
人間は信頼され仕事を任されたら自分の考えで自分のエンジンで動き始めるということは真理だと私は思う。そういうところには後向きの仕事はない。いろいろ困難はあるが建設的な前向きの気持がそこには漂っている。
安全活動も然りではないか。いやいややる安全活動、予定で決まっているからやる行事消化型の安全活動であってはならない。
建設的で創造的な自分達のための安全活動を推進するところには、性質の悪い事故は起こらないしあるいは起こったとしても大事故にはならないのではないか。
安全管理者は建設的で創造的な安全活動の推進に是非力を注いで欲しいと思う。