セーフティー・はーと
第49号 安全分野のCOEは?
板垣晴彦 < (独)産業安全
7月17日に今年度の「センター・オブ・エクセレンス」(卓越した拠点)の採択結果133件を文部科学省は発表した。世界レベルの研究教育拠点を10の学問分野ごとに形成し、創造的な人材育成を図ろうというものだ。研究所>
7月17日に今年度の「センター・オブ・エクセレンス」(卓越した拠点)の採択結果133件を文部科学省は発表した。世界レベルの研究教育拠点を10の学問分野ごとに形成し、創造的な人材育成を図ろうというものだ。研究所>
昨年と今年で合わせて246件が採択され、各プログラムには1件あたり年間1~5億円程度が原則として5年間交付されるという。応募総数は1000を超え、さらに先端研究が多いために同じ分野の研究者による審査が必要となり、結局1000人を超える研究者が審査にあたったそうである。
10の分野の中に安全分野はないが、採択された246件の中から安全と関連がありそうなプログラムを探したところ、次が見つかった。
災害学理の究明と防災学の構築 京都大学防災研究所
ユピキタス社会における災害看護拠点の形成 兵庫県立看護大
安全と共生のための都市空間デザイン戦略 神戸大学
先導的建築火災安全工学研究の推進拠点 東京理科大
「平和・安全・共生」研究教育の形成と展開 国際基督教大学
それぞれのプログラムについて概要を調べてみた。
東京理科大のプログラムは、「火災に対する人命と財産の保護」の観点で建築火災に関する最先端の研究を推進するとともに人材育成の場を提供することにより、21世紀に貢献しようとするものだそうだ。そのほかは、「災害に強い都市づくり」や「災害時の対処」、「防災の情報科学」といった大規模災害を対象としたプログラムが中心のようだ。常に安全であって災害のない生活が我々の共通する願いであること が、このようなプログラムの採択につながる理由のひとつになっているのではなかろうか。そんなことを調べている時、日頃「安全」を「工学」の観点でばかり見ていることにふと気がついた・・・。
来年度の募集はない。4年後の次回にはどんなプログラムが採択されるだろうか?