セーフティー・はーと

第6号 大災害

<中村  順>
昨年、わが国では化学工場、火薬工場での大きな爆発事故を経験し、また比較的に工場災害の多い年であったように思う。
それに比べて今年は、穏やかで、こういう時にこそ、足元を見直してと考えていた。ところが、米国における同時多発テロは、あまりに悲惨であり、しかも今後も世界に対して大きな混乱をもたらすことが予想される。そしてこの災害がニュースのほとんど占めているときに、フランスのツールーズ郊外にある化学工場AZFで大規模な爆発事故が発生した。まだ詳細は不明であるが、死者29名、負傷車700名で、直径50m、深さ15mのクレーターが生じているという。硝安を製造している工場とのことで過去の大きな爆発事故を思い出させる。しかもこれが化学薬品の混合ミスといわれており、さらに爆ごうを起こす可能性のあるものを一挙に爆発させる貯蔵方法なり停滞量があったわけで、これも驚くべきことである。
こうした災害は、直接、間接に日本に影響を及ぼしてくるであろうし、また、日本でも起こりうることである。安全に関しても、他国でのこうした災害に対して一人一人が深く考える必要があるであろう。