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第25号 安全工学実験講座
投稿日時 : 2002/07/15
事務局
飯塚義明 <三菱化学㈱ STRC 環境安全工学研究所>
今から22年前、私達の研究室は、新規物質の合成における不安定物質の分解危険性や反応の走危険性の定量的な評価法の研究に着手した。
今から22年前、私達の研究室は、新規物質の合成における不安定物質の分解危険性や反応の走危険性の定量的な評価法の研究に着手した。
当時に比べて、現在は、断熱熱量計ARC、DSCそして反応熱量計のRC1、小型熱量計CRCと評価に使用する機器類は多種多様になっている。危険要因や発現条件の摘出さらには対策案の提示が非常に効果的に行える時代になっている。但し、問題なのは、DSCなどの発熱データだけで安全性評価が行われていることである。プロセスのセーフティー・アセスメントやセーフティー・レビューは、この実態感のないデータをベースに「安全」とか「危険」とかが議論されているような気がしている。このような個人的な危機感から、実際に起こる災害事象(反応機からの内容物の噴出から火災の発生、または反応機や蒸留塔の爆発)をいろいろな人達に体験して頂こう思い体験講習会なるもの昨年企画した。これは、協会の普及委員会の特別講習会とて、日本カーリット㈱のご協力を頂き、紅葉の伊香保温泉におけるの座学とヒドロキシアミンの熱分解爆発試験や冷却系統の異常から発生する反応暴走のモデル実験を体験していただいたものであった。参加者から好評を得て図に乗り、今年もう一度新たな講習会を企画中(10月末を予定)である。今回は、より現実に近いモデル、例えば、空気中に長時間さされた有機溶媒を蒸留した場合、どうなるか?
別なモデルテストとして、廃棄物などの集積で問題となる混触や自然発火現象の再現を先の熱分析データと対比させながら、宿舎での参加者による模擬アセスメントもいれた講習会を考えている。