第31回安全管理の最新動向講習会 講師紹介
2017年6月12日(月)、13日(火)開催
 

講師:中村 昌允

所属: 東京工業大学 イノベーションマネジメント研究科 特任教授
タイトル: 重大事故から学ぶこれからの化学プラントの安全管理
講義概要: 2011年から化学プラントで起きた一連の重大事故の背景には、現場力の低下がある。それぞれの事故で問題となったリスクマネジメントのポイントについて、「リスクアセスメント」、「変更管理」、「設備システムの設計」の点から解説する。  化学産業の歴史は幾多の痛ましい事故を経験し、その原因を究明し新たな技術やシステムをすることによって発展してきた。これからの安全管理は、製造現場で起きている「人」「設備」「管理」の変化を踏まえて構築する必要がある。特に、「人」の変化を踏まえた「人と機械との調和」、「システムの構築などの課題をどのように取り組んでいくかが問われる。
プロフィ-ル
   1968年3月 東京大学工学部工業化学科卒業
  1968年4月 ライオン油脂株式会社(現ライオン株式会社)入社
  1988年6月 研究開発本部プロセス研究室長
  1992年4月 研究開発本部素材開発センター所長
   1998年4月 ライオンオレオケミカル株式会社取締役
  2001年4月 ライオンエンジニアリング株式会社取締役
  2005年4月 東京農工大学大学院技術経営研究科(現 工学府産業技術専攻)教授
  2008年4月 東京工業大学  イノベーションマネジメント研究科客員教授を兼務
  2014年3月 東京農工大学退職
  2015年11月 内閣府遺棄化学兵器処理担当室事業参与を兼務
   2016年4月   東京工業大学  大学院環境・社会理工学院特任教授
◎主な資格 博士(工学)、技術士(化学部門)、労働安全コンサルタント(化学部門)

 

講師:中西 美和

■所属:慶應大学 理工学部  管理工学科 准教授
■タイトル:Safety-ISafety-II 
                人間特性としてのレジリエンスを安全管理にどう生かすか

■講義概要:近年、ヒューマンファクター領域において、従来的によく知られてきた安全の考え方”Safety-I”からさらに発展的に、”Safety-II”の考え方が導入されつつある。また、この”Safety-II”における主要なキーワードとして、”レジリエンス”(人や組織の状況変化に応じた柔軟な働き)が注目されている。
 この二つの安全の考え方を現場の安全管理にどう生かすかについて、様々な視点からの議論を紹介すると共に、レジリエンスを強化するためのポイントと可能性を示したい。加えて、これまでの議論の中でよく聞かれるSafety-IIやレジリエンスに関する質問・疑問についても触れたい。
■プロフィール:
   2000年 慶應義塾大学理工学部管理工学科卒
   2004年 慶應義塾大学大学院理工学研究科管理工学専攻後期博士課程修了
   2004年 慶應義塾大学理工学部 准訪問研究員  
   2006年 東京理科大学工学部経営工学科 助手(2006年より助教)
   2008年 千葉大学工学研究科デザイン科学専攻 講師
   2010年 慶應義塾大学理工学部管理工学科 専任講師
   2014年 現職
   2016年 運輸安全委員会委員(兼職)

   ◎日本人間工学会、安全工学会、日本プラント・ヒューマンファクター学会等 所属
   ◎現在、国土交通省航空局、国土交通省鉄道局、文部科学省研究開発局にて、
      安全に関する研修講師、委員会委員等として従事。

 

講師:楠神 健

■所属:東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター
          副所長(ヒューマンファクター)
■タイトル:ヒューマンファクターツールを活用した従事員の“安全力”の向上
■講義概要:
現場の安全力向上を目的に活用しているヒューマンファクターツールを紹介する。具体的には、他箇所で発生した事象から自区所の教訓抽出を支援する『他山の石』置換え支援ツール、東日本大震災における避難誘導の分析およびそれに基づく臨機応変な対応能力を高めるための『異常時イメージトレーニング法』、現場の安全に役立つ情報の収集・共有化を促進するための情報バンク『安全ポータル』などについて紹介する。
■プロフィール:
  1982年 東京大学文学部心理学科卒業、国鉄入社
  1984年 国鉄 鉄道労働科学研究所 労働心理研究室 研究員
  1993年 (財)鉄道総合技術研究所 人間工学研究室 主任研究員
  1997年 東日本旅客鉄道株式会社 安全研究所 主任研究員(安全心理)
  2002年 同 JR東日本研究開発センター 安全研究所 主任研究員(安全心理)
  2008年 同 次長(ヒューマンファクター)を経て所長就任
  2013年  同 JR東日本研究開発センター 副所長就任
  ◎ 専門:産業・組織心理学,人間工学、ヒューマンエラー、事故分析、安全管理、             人材育成
  ◎ 所属学会:日本心理学会、日本人間工学会、産業・組織心理学会 他
  ◎主な資格 博士(心理学)

 
     
                    
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講師:西 正幸

所属:横浜ゴム株式会社
           安全衛生推進室  室長補佐
タイトル:自律的安全活動による安全文化の構築
                           ~トップダウンとボトムアップの融合~
講義概要:
「安全衛生は全ての基本である」という理念のもと、経営・全従業員で「人」「もの」「しくみ」に着目した安全活動を展開している。個々の作業者の意識の違いや考え方の違いを重んじながら対1人でコミュニケーションを図ることを目的とした活動の事例紹介。OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)をベースとした現場・現物、一人ひとりに迫る活動の展開によるリーダーシップとボトムアップの融合、安全の自律神経を養う取り組みについて考える。
プロフィ-ル:
 
1975年 横浜ゴム株式会社入社(三重工場)
   2005年 安全衛生事務局に就任
   2007年 安全衛生推進室設置と同時に係長に就任
   2011年 安全衛生課長に就任
   2015年 安全衛生推進室 室長補佐
             安全A級マイスター に就任
                 三重労働基準協会連合会理事・伊勢労働基準協会衛生部会長
                 JISHA方式適格OSHMS認定評価員(登録番号:11-188)

 

講師:西山 文雄

■所属:日揮株式会社  品質・安全・環境室 安全グループ                
■タイトル:安全文化は人とのつながり 「いいふれあい運動」
■講義概要:
従来、各職場で取り組んできた安全管理手法は、「管理技術」を重視した考えで、ライン側とすれば「やらされ感」が職場に漂う。しかし、技術重視の考え方には限界があり、事故の最多原因である「ヒュ―マンエラー」の対応にも限界を感じる。
  この運動は、人のメンタル面に着目し、作業関係者をはじめ管理者側が一体となって、「心の結びつき」による新たな安全管理手法「いいふれあい運動」の推進すなわち、互いの気遣い・気配りにより、職場から事故・災害を未然に防ぐ取り組みを紹介する。
■プロフィール:
  1978年入社、国内の石油精製、化学プラント、医薬、病院などの建設現場にて安全管理業務に従事。また、海外では石油精製をはじめガス、化学プラント建設の安全管理業務に携わり、国内、海外の安全への取り組みの違いを実感すると共に、海外では国民性、文化の違いを体験する一方、幾度かの事故・災害に遭遇して災害防止には教育・訓練の充実を痛感した。
また、最近では安全管理の担当者は一様に高齢化傾向にあり、若手への伝承が自身の務めであると社内、社外を通じて啓蒙させていただき、各企業は災害防止と安全管理充実を目標としていることを実感する。現在は役職を解き、種々の安全教育を通して後継者への伝承に注力している。

 

講師:佐々木 敏宏

所属:日本航空株式会社 運航本部 運航安全推進部 部長 777機長
タイトル:航空業界におけるこれからの安全管理について
                   
 Barrier Based Risk Management (BRM) -
講義概要:
一般的なリスク評価は結果の「重大度×頻度」のマトリックスによって表されるが、滅多に起きない重大事故に関して、どの程度の頻度で発生するかを評価することは困難であると言われている。ジェームズ・リーズンのスイスチーズモデルでは、組織、職場、人などそれぞれのバリアがすべて破られた場合に事故が発生すると言われているが、事故を防止するバリアの健全性を評価するBarrier Based Risk Management (BRM)が、これからの航空業界における安全リスク管理手法として注目されている。現在、日本航空が導入しているBRMに関する具体的な取り組みを紹介する。
プロフィ-ル:
1986年3月  東京大学工学部航空学科卒業
1986年4月  日本航空入社
1990年5月  ボーイング747セカンドオフィサー
1992年1月  ボーイング747副操縦士
2000年2月  ボーイング767機長
パイロット現業部門、運航企画部門、安全推進部門等を経て、現在
運航本部 運航安全推進部 部長 ボーイング777機長

◎日本航空宇宙学会 所属